ヘッドセットの指向性とは?指向性によるタイプ分けと特徴

ヘッドセットを選ぶ時、何をポイントに購入を検討すればいいのでしょうか。

それは自身の「聞こえ」の問題だけではなく、相手へ「こちらの声が問題なく伝わる」こともポイントといえるでしょう。

ヘッドセットにおける「指向性」とは音声をマイクがどの方向まで拾えるかのことをいい、性能によって拾える音の方向が異なるのです。

例えば、web会議で「相手が自分の声を聞き取りづらそうにしている」と思った経験はありませんか。

その原因は、ヘッドセットに搭載されているマイクの指向性にあるかもしれません。

用途に合わせてマイクの指向性を正しく選ぶことは、テレワークやweb会議を快適に行うためにとても大切なことといえるでしょう。

ここでは、ヘッドセットのマイクの指向性について詳しくお伝えしていきます。

web会議に便利なヘッドセット

新型コロナ感染症の蔓延でテレワークが浸透してきたこともあり、web会議を頻繁に行う企業も増えているのではないでしょうか。

web会議において起こりやすい音声トラブルに、エコーやハウリングがあげられます。

エコーやハウリングとは、スピーカーから流れる音をマイクが収音してしまうことで起こる現象です。

音声が聞こえづらいといった理由で音量やマイク感度を上げると、さらにエコーやハウリングといった音声トラブルが起きやすくなってしまいます。

特に、パソコンに付属する内蔵スピーカーを利用すると、こういった音声トラブルが起きやすいので、ヘッドセットを利用することは音声トラブルの防止に効果的といえるでしょう。ほかにも、web会議においてヘッドセットが便利な理由3つをご紹介します。

  1. 機密性が高く情報漏洩などを防げる
  2. 会話が聞きやすく、聞き漏れしにくい
  3. 相手に不快感やストレスを与えない

テレワークでのweb会議において、情報漏洩の防止は欠かせません。

パソコンに付属されている内蔵スピーカーを利用するよりもヘッドセットの方が機密性が高く、リスクやトラブルを軽減できるでしょう。

また、音声が聞き取れなかったため、内容を聞き直したいけれど再度聞きづらい雰囲気だったという経験はありませんか。

会議の途中で何度も会話の内容を聞き直すと、会議の進行を妨げるだけなく、時間のロスにも繋がります。

特にクライアントとのweb会議で、会話の内容を何度も聞き返すことはイメージダウンに繋がるかもしれません。

そういったリスクを回避するためにも、web会議ではヘッドセットの利用がおすすめです。

また、ヘッドセットを利用すると周囲の雑音が収音されづらくなります。(ノイズキャンセリング機能)

ノイズも減るので、はっきりとした音声で相手に伝えることができるようになるでしょう。

ただし、ヘッドセットを利用していたとしても、ノイズのない音声が届いているかどうかはわかりません。

なぜなら、ヘッドセットの指向性によっては雑音が入りやすくなっている可能性があるからです。

相手に雑音の少ない音声が届いているかを確かめるためには、直接確認する以外に方法はありません。

※参考:ヘッドセットでここまで周辺のノイズが低減出来る!!

自身が快適にweb会議を行っているつもりでも、相手は雑音が入り込んでいて音声が聞き取りづらい可能性も十分にありえるのです。

そのため、相手にノイズによるストレスを感じさせないためにも、web会議中に音声状況を確認する必要があるでしょう。

相手を問わずノイズが入り込みやすいことが判明した場合、一因としてヘッドセットの指向性が考えられます。

ヘッドセットの指向性とは

ここでは、ヘッドセットに付属するマイクの指向性について解説していきましょう。

単一指向性

単一指向性とは、正面の音のみを拾うマイクのことをいいます。

音を一定の方向から拾っているので、キーボードをタイピングする音、自宅の生活音、カフェでの話し声などが入り込みにくいためノイズを抑えやすく、自身の声だけを伝えたい時におすすめです。

双指向性

双指向性とは、正面と背面から音を拾えるマイクのことをいいます。

そのため、側面からの音に対しては感度が低くなりやすいです。

マイクの背面からノイズが入らない環境であれば、正面の音声のみを収音することができるため、自身の声のみを伝えたい場合に向いています。

また、対面で会話している音声を拾いたい場合に便利です。

無指向性

無指向性とは、すべての方向から同じ感度で音を集めるマイクのことをいいます。

口元からマイクが離れていても音を拾うことができる点が特徴です。

しかし、同時に周囲の雑音も入りやすいので、利用場所によっては向いていない場合があるでしょう。

ヘッドセットは単一指向性がおすすめ

単一指向性のヘッドセットは正面の音だけを収音するマイクなので、テレワークでの利用におすすめといえるでしょう。

周囲に音が多い場所で単一指向性のヘッドセットを利用すると、音声がクリアになる分、web会議やクライアントとの打ち合わせの効率が上がりやすいです。

また、単一指向性のヘッドセットの利用は音声が外部に漏れないだけでなく、自身の声の音量を必要以上に上げずに済むため、情報漏洩などのトラブル防止にも効果的といえるでしょう。

※参考:  EPOS | SENNHEISER製 コールセンターの現場でも活躍している単一指向製マイクを搭載したヘッドセット IMPACT SC230 USB MS II

一方で、自宅でのテレワークではヘッドセットは必要ないと考え、パソコンに付属する内蔵スピーカーとマイクを利用している人もいるかと思います。

しかし、前述した通りパソコンの内蔵スピーカーを利用すると、エコーやハウリングなどの音声トラブルが起こりやすいです。

また在宅勤務で周囲に人がいない状況でも、外で道路工事をしているなど、騒音の影響があるかもしれません。

小さい子供がいる家庭では、子供の声がweb会議の相手に聞こえてしまうこともあるでしょう。

しかし、ヘッドセットを利用していれば周囲の騒音や子供の声は入り込みません。

こういった様々なケースを考えると、テレワークでは自身の声のみを拾う「単一指向性」のものがおすすめです。

また、ヘッドセットのマイクにノイズキャンセリング機能がついているものは、周囲の雑音をカットすることができるので、より快適に利用することができます。

マイクのノイズキャンセル機能とともに、イヤホン、ヘッドフォン部分にノイズキャンセル機能が付いた(自身が音を聞くとに自信の周りのノイズを低減させる機能=アクティブノイズキャンセル機能)が搭載されているモデルがあり、テレワークでのweb会議におすすめのヘッドセットです。

※参考: EPOS | SENNHEISER 製アクティブノイズキャンセリング機能のついた高性能ヘッドセット IMPACT SC 660 ANC USB 

以上の点をまとめると、web会議のためにヘッドセットの購入を考えているのであれば、マイクの性能が単一指向性であるものを優先しましょう。

さらに、ノイズキャンセリング機能を搭載しているモデルであれば、ストレスフリーで会話をすることができます。

また、有線タイプと無線タイプがありますので、用途や好み、手持ちの機器に合わせて選ぶと良いでしょう。

用途に合わせて指向性を選ぼう

テレワークでのweb会議において、単一指向性のヘッドセットがおすすめであることをお伝えしました。

前述したように、双指向性のマイクや無指向性のマイクを自宅やカフェなどで利用する場合は、周囲の音が入ってしまう可能性があります。周囲の音が入りにくい空間で利用する場合は支障はありませんが、利用する場所を選ぶことが大切です。

双指向性と無指向性のマイクはテレワークに向いていないように感じますが、用途によっては使い勝手が良くなります。

双指向性のマイクは、正面と背面の音を拾うことができるので、対面での会話内容をインターネットを使って共有する際に向いているでしょう。

無指向性のマイクは、360度全方向の音を拾うことができるので、マイクの方向を気にすることなく利用できる点がメリットです。自身の声だけでなく周囲の声を届けたい時など、複数人集まったweb会議に向いています。

これらのことから、ヘッドセットは利用する環境や用途に合わせ、指向性から選んでみましょう。